40年封印していた訪タイを夢見て・・・
40数年前、バンコクの日本人学校の講師として任命された当時30歳代の男性が浜松に住んでいた。当時は、初の日本人学校の講師が静岡県の浜松から出向くということで、新聞でも大きく取り上げられたという。
その男性の子供はまだ小さく2歳くらい。小さな子を持つ親子3人が、海外赴任という事で彼らの出発の日には、その記事を見て今までに考えられない位の人々が浜松駅を覆いつくし、彼らの門出を『万歳三唱』で見送ったという。
当時は、外国の詳細な情報をインターネットはおろか、新聞、テレビなどでも現地の正確な治安や政治情勢などをピンポイントで入手が容易できなかったため、彼ら家族は生きて帰ってこられないのかもしれない・・・という位の覚悟を決めバンコクへ旅立ったと話す。
バンコクでの滞在をスタートさせるにあたって、予想していたものの一番困ったのは言葉や文化の違い。ある日突然、日本から学校にその男性宛に荷物が届いたものの、郵便配達のタイ人がその男性に荷物をなかなか渡さず、もの凄い剣幕で何か言っている。困ったその男性は、片言の日本語が分かるタイ人の教師を呼び寄せ、郵便配達人が何を言っているのか聞くと、少しばかりお金を渡せ(所謂『袖の下』)と言っているらしいことがわかり、50バーツほど渡したという。荷物は日本の友人からで、食料品や衣類などだったので、特に怪しいものは入ってなかったものの、当時(今もそうかも)は、荷物を受け取るときにも袖の下が必要だったという。
また、その数日後、男性は小学生くらいのタイの子供に遭遇したという。
突然のスコールに偶然にも同じ場所で雨宿りをしたその子供が、何か話しかけてくるではないか。言葉がわからないので何も言葉を発せず『?』顔をしているところ、その子供が『ニーアライ』という言葉を教えてくれた。
『ニーアライ』というのはタイ語で『これは何ですか?』という意味だ。その男性はあるものを指差し、『ニーアライ』と聞いてみた。子供はタイ語で答えてくれた。それに感動した男性は、さらに、他のものを指差し『ニーアライ』、『ニーアライ』と片っ端から分からないものを指差し、その子供と会話したという。
そうこうしているうちに雨はやみ、子供とその男性は別れた。男性は、これをきっけに、タイ語はまず『ニーアライ』を覚えるべきと体感。その後は、メモを持ち、判らないことは『ニーアライ』と聞き、その度にメモを取り、タイ人とコミュニケーションを増やしタイ語を覚えていったと話す。
一方、昼間、奥様は小さなわが子と二人で、タイ人のお手伝いさんとともに生活を送った。タイ人のお手伝いさんと会話をするにあたり、必要に迫られタイ語を覚えるために、冷蔵庫にはカタカナで書いたタイ語メモがぎっしり張られていたという。そんなこんなで、数年のバンコクでの滞在が終了し無事日本へ帰国した。
その後、互いに教職の資格を持つこのご夫妻は、浜松で引き続き働いた。夫婦別々ではあるが、海外に行く機会もあり様々な国を訪れていた。その際に、いつか機会があったらバンコクへ行きたいと二人で話していながらも、その機会もなかった・・・・・というより、今から考えるとわざとその機会を作られなかったといった方が正確かなと先日、当時の心持ちを打ち明けてくれた。
今年5月に私、グーグーライフの小林が取材された記事が朝日新聞の人欄で掲載された。それを偶然に見たこのご夫妻は、当社に連絡し資料を取り寄せ、10月に催行される体験ツアーの詳細を知り先月当社に入会した。体験ツアー参加者に個々に事前説明をしている私と、先日お話する機会をもったところ、
このご夫妻はこんなことを話してくれた。
奥様は、『60代は、主人のお母さんを91歳までずっと介護してきました。その務めを昨年に終えちゃんと見送ることができました。我々はもう70歳に突入しますが、世間で楽しむ60代はなかったものの、今からだと思っています。暗黙の了解なのか、夫婦で封印してきた訪タイのきっかけを作ってくれたのは、小林さんのおかげだと思っています。10月の体験ツアー、本当に楽しみにしています。』
私はこの話を聞いて大変胸が熱くなった。プチ滞在への思いは、1人1人違うし、そのきっかけも様々。プチ滞在を体験した当社の会員さんたちが、様々な個々の事情を抱えながらも、実現し楽しそうに報告してくださる・・・・・・。
この瞬間、私は、3年前にこの会社を立ち上げてよかった、この仕事をしていて本当に良かったとつくづく実感する。
64歳になる当会員がプチ滞在するきっかけになったのは、既に海外にプチ滞在をしていた友人から言われたこんな言葉だったと話す。『今やらないと、後悔するぞ!』。早いか遅いかなんて、他人がとやかく言うものではなくご自身で決めること。思い立ったときが、実行するとき・・・・・。若輩者の私には、この重みはまだ体感できませんが、ただひとつだけ言えることがある。プチ滞在を体験しようとする方、また体験した方は明るく前向きで、若々しく、素敵であるということ。自分の思いを勇気もって他人に伝えたとき、それに向かって動いたときに、更なる人生が切り開くのだなと、人生の先輩を見て感じる。
グーグーライフ・コーポレーション 代表 小林亜留美 http://www.googoolife.com/
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